マニュアル

1章 はじめに

若葉ヘルパーは、DirectXを意識せずゲーム制作できる2Dゲームライブラリです。プログラミング初心者、日曜プログラマに最適です。Visual Basic、Visual C#に対応。商用利用も可能です。
電華房ホームページには、サポート掲示板を用意していますので、不明な点がありましたらお気軽にご投稿ください。http://denkabow.com/

若葉ヘルパーの特徴

  • .NET Framework 2.0開発環境に対応。
  • スプライト描画。(表示順位、縮小、拡大、回転、半透明重ね合わせ)
  • スプライトに当り判定情報の埋め込み、取得。
  • スプライト、ビットマップの相互変換。
  • スプライト間コピー。
  • ウィンドウ、フルスクリーン表示切替。
  • 文字列描画。
  • 効果音再生。
  • スクリーンショット。
  • メディア再生。(AVI、MPEG、MP3、WAVE、MIDI)
  • ジョイスティック、キーボード、マウス入力取得。

著作権

若葉ヘルパーの著作権は、次のとおりです。
作品名 若葉ヘルパー
作者 田村 太 (タムラ フトシ)
メールアドレス
ホームページ http://denkabow.com
種別 フリーウェア
権利 著作権を放棄しない
改変 認めない
配布方法
  • 若葉ヘルパー単体の配布は自由。田村への連絡は必須。
  • 制作ゲームに同梱した若葉ヘルパーの配布は自由。若葉ヘルパーのコピーライト記載は任意。田村への連絡は任意。
配布条件
  • 若葉ヘルパーを使用して生じた損害に対して、田村は責任を負わない。
  • 若葉ヘルパーに不備があっても、田村は修正する義務を負わない。
雑誌掲載
  • 若葉ヘルパー単体の掲載は認める。田村への連絡は必須。
  • 制作ゲームに同梱した若葉ヘルパーの掲載は認める。若葉ヘルパーのコピーライト記載は任意。田村への連絡は任意。

動作環境

若葉ヘルパーの動作環境は、次のとおりです。

開発時の動作環境

OS Windows 2000 + (Service Pack4)(※1)
Windows XP + (Service Pack3)
Windows Vista + (Service Pack2) (32ビット版)
Windows 7 (32ビット版)

※1 Visual Studio 2005のみ対応

※64ビット版Windowsは動作しません
CPU Visual Studio 2005/2008要求分の速度
メモリ Visual Studio 2005/2008要求分の容量
ビデオ DirectX 9.0c対応
Direct3Dハードウェアアクセラレータ必須
VRAM 4MB以上、ハイカラー表示必須
サウンド DirectX 9.0c対応
空きディスク 6MB以上
必須ソフト Visual Studio 2005 + (Service Pack 1)
Visual Studio 2008 + (Service Pack 1)
※Express Edition対応

DirectX 9.0c End-User Runtime
※DirectX SDKインストール不要

制作したゲームの動作環境

OS Windows 98 Second Edition
Windows Me
Windows 2000 + (Service Pack4)
Windows XP + (Service Pack3)
Windows Vista + (Service Pack2) (32ビット版)
Windows 7 (32ビット版)

※64ビット版Windowsは動作しません
CPU 800MHz以上
メモリ 128MB以上
ビデオ DirectX 9.0c対応
Direct3Dハードウェアアクセラレータ必須
VRAM 4MB以上、ハイカラー表示必須
サウンド DirectX 9.0c対応
ディスク 4MB以上(制作したゲームの容量分必要)
必須ソフト .NET Framework 2.0
DirectX 9.0c End-User Runtime

ビデオカードの動作確認

動作確認は、ビデオチップメーカーのオフィシャルドライバ最新版を使用しました。
未検証のビデオカードは、次のサイトを参考にしました。dxinfo - DirectX デバイス情報の蓄積と共有
動作 検証済 チップメーカー チップ名 備考
ATI RAGE XL スプライトサイズは1024X1024まで。
ATI RADEON 9600SE スプライトサイズは2048X2048まで。
nVIDIA RIVA TNT2 M64 スプライトサイズは2048X2048まで。
nVIDIA GeForce2 MX200 スプライトサイズは2048X2048まで。
nVIDIA GeForce 8400GS スプライトサイズは4096X4096まで。
Matrox G200 スプライトサイズは2048X2048まで。
S3 Savage4 スプライトサイズは2048X2048まで。
Intel GMA950 スプライトサイズは2048X2048まで。
× nVIDIA RIVA128 Direct3Dの初期化に失敗する。
× Intel Intel 740 Direct3Dの初期化に失敗する。
× 3Dfx Voodoo3 テクスチャサイズが256X256までのため、若葉ヘルパーの動作基準を満たさない。
× SiS SiS 6326 Direct3Dの初期化に失敗する。
- Intel Intel810/815内蔵VGA スプライトサイズは1024X1024まで。
フルカラー設定で動作しない。
× - 3Dfx Voodoo Graphics
Voodoo Rush
Voodoo II
Voodoo Banshee
若葉ヘルパーの動作基準を満たさない。
× - VideoLogic PowerVR PCX1
PowerVR PCX2
若葉ヘルパーの動作基準を満たさない。
× - 各社 Direct3Dに対応しないビデオカード 若葉ヘルパーの動作基準を満たさない。

△ページ先頭へ

2章 インストール/アンインストール

旧バージョンの若葉ヘルパーからアップグレードする場合は、旧バージョンの若葉ヘルパーをアンインストールしてください。

必須ソフトのインストール

若葉ヘルパーの開発に必要なソフトをインストールします。すでにインストール済みならば下記の作業は不要です。
  1. 「Visual Studio 2005」または「Visual Studio 2008」をインストールします。
  2. 「Visual Studio 2005」をインストールした場合は、各エディションに対応した「Visual Studio 2005 Service Pack 1」をインストールします。
  3. 「Windows Vista/7」で「Visual Studio 2005」を使用する場合は「Visual Studio 2005 Service Pack 1 Update for Windows Vista」もインストールします。
  4. 「Visual Studio 2008」をインストールした場合は、各エディションに対応した「Visual Studio 2008 Service Pack 1」をインストールします。
  5. 「Windows Update」で「DirectX9.0c End-User Runtime」をインストールします。「Windows Vista/7」はインストール不要です。

若葉ヘルパーのインストール

ダウンロードしたインストーラを実行します。Windows Vista/7で「ユーザーアカウント確認」画面が表示された場合は[許可]をクリックしてインストールを続行します。

若葉ヘルパーのアンインストール

  1. 「コントロールパネル」の「プログラムと機能」(※1)から「若葉ヘルパー」を指定してアンインストールします。
    Windows Vista/7で「ユーザーアカウント確認」画面が表示された場合は[許可]をクリックしてアンインストールを続行します。
  2. エクスプローラで「C:\Program Files\Wakaba」以下を削除します。
  3. エクスプローラでテンプレートを削除します。
※1 Windows 2000は「アプリケーションの追加と削除」、Windows XPは「プログラムの追加と削除」

△ページ先頭へ

3章 プロジェクトへの組み込み

若葉ヘルパーをプロジェクトへ組み込みます。

テンプレートのコピー

若葉ヘルパーでゲーム制作するためのテンプレートをコピーします。
  1. [スタート]-[すべてのプログラム]-[若葉ヘルパー]-[サンプルプログラム]をクリックします。
「サンプルプログラム」フォルダを表示します。エクスプローラでテンプレートを次のフォルダへコピーします。

Visual Studio 2005の場合

言語 テンプレート コピー先
Visual Basic MyGameVB.zip [マイ ドキュメント]\Visual Studio 2005\Templates\ProjectTemplates\Visual Basic
C# MyGameC#.zip [マイ ドキュメント]\Visual Studio 2005\Templates\ProjectTemplates\Visual C#

Visual Studio 2008の場合

言語 テンプレート コピー先
Visual Basic MyGameVB.zip [マイ ドキュメント]\Visual Studio 2008\Templates\ProjectTemplates\Visual Basic
C# MyGameC#.zip [マイ ドキュメント]\Visual Studio 2008\Templates\ProjectTemplates\Visual C#

テンプレートのコピー先がわからない場合

テンプレートのコピー先がわからない場合は、次の操作をします。
Visual Studioを起動します。

  1. [ツール]メニューをクリックして[オプション]をクリックします。
「オプション」画面を表示します。

  1. 「プロジェクトおよびソリューション」ツリーをクリックします。
  2. 「Visual Studio ユーザー プロジェクト テンプレートの場所」のパスを確認します。

新しいプロジェクトの作成

Visual Studioを起動します。

  1. [ファイル]メニューをクリックして[新しいプロジェクト]をクリックします。
「新しいプロジェクト」画面を表示します。

  1. [MyGame]アイコンをクリックします。
  2. [OK]ボタンをクリックします。
※テンプレートが正しくコピーされていないと[MyGame]アイコンは表示されません。

LoaderLock検出の無効

「MyGame」テンプレートから新しいプロジェクトを作成した場合、LoaderLock検出の無効を設定します。
この作業を行わないと、開発環境でのプログラム実行時に、LoaderLockエラーが発生します。

「例外」画面を表示します。

  1. [デバッグ]メニューをクリックして、[例外]をクリックします。
LoaderLock検出を無効にします。

  1. [Managed Debugging Assistants]ノードを展開して、[LoaderLock]チェックボックスのチェックを外します。
  2. [OK]ボタンをクリックします。

新しいプロジェクトの実行

「MyGame」テンプレートから新しいプロジェクトを作成しました。
[デバッグ]メニューをクリックして[デバッグの開始]をクリックします。
初期状態はウィンドウのみ表示します。

△ページ先頭へ

4章 若葉ヘルパーのHello World

3章で新しいプロジェクトを作成しました。このプロジェクトをベースに「Hello World」を画面に表示するプログラムを作成します。

Visual Basic の場合

プログラム左側の番号は解説用です。入力する必要はありません。
001 'Importsステートメントで名前空間の参照を簡単にします。
002 Imports System.Drawing
003 Imports System.Windows.Forms
004 Imports Wakaba
005 
006 Module Game
007 
008     'オブジェクト変数を宣言します。
009     Private w As Wakaba.Helper
010 
011     Sub Main()
012 
013         Try
014             'オブジェクト変数をインスタンス化します。
015             w = New Wakaba.Helper
016 
017             '若葉ヘルパーを初期化します。
018             w.Initialize()
019 
020             w.SpriteCreate("文字列スプライト", 640, 480)
021             w.SpriteText("文字列スプライト", "Hello World", 140, 200, "MS ゴシック", 40, FontStyle.Bold, Brushes.White)
022             w.SpriteShow("文字列スプライト")
023 
024             'ウィンドウを閉じるまで画面を更新します。
025             Do
026                 w.ScreenRefresh(True)
027             Loop While Not w.WindowClosing
028 
029         Catch ex As Exception
030 
031             'エラーメッセージを表示します。
032             MessageBox.Show(ex.Message & ex.StackTrace)
033 
034         End Try
035 
036         '若葉ヘルパーのオブジェクトを破棄します。
037         w.Dispose()
038 
039     End Sub
040 
041 End Module
042 
020 文字列描画用スプライトを作成します。
021 文字列描画用スプライトに「Hello World」を描画します。
022 文字列描画用スプライトを表示するように設定します。

Visual C# の場合

プログラム左側の番号は解説用です。入力する必要はありません。
001 //usingディレクティブで名前空間の参照を簡単にします。
002 using System;
003 using System.Drawing;
004 using System.Windows.Forms;
005 using Wakaba;
006 
007 namespace Game
008 {
009     class Game
010     {
011         //オブジェクト変数を宣言します。
012         private static Helper w;
013 
014         [STAThread]
015         static void Main(string[] args)
016         {
017             try
018             {
019                 //オブジェクト変数をインスタンス化します。
020                 w = new Helper();
021 
022                 //若葉ヘルパーを初期化します。
023                 w.Initialize();
024 
025                 w.SpriteCreate("文字列スプライト", 640, 480);
026                 w.SpriteText("文字列スプライト", "Hello World", 140, 200, "MS ゴシック", 40, FontStyle.Bold, Brushes.White);
027                 w.SpriteShow("文字列スプライト");
028 
029                 //ウィンドウを閉じるまで画面を更新します。
030                 do
031                 {
032                     w.ScreenRefresh(true);
033                 } while (!w.WindowClosing);
034 
035             }
036             catch (Exception ex)
037             {
038                 //エラーメッセージを表示します。
039                 MessageBox.Show(ex.Message + ex.StackTrace);
040             }
041 
042             //若葉ヘルパーのオブジェクトを破棄します。
043             w.Dispose();
044         }
045     }
046 }
025 文字列描画用スプライトを作成します。
026 文字列描画用スプライトに「Hello World」を描画します。
027 文字列描画用スプライトを表示するように設定します。

△ページ先頭へ

5章 若葉ヘルパーの配布

若葉ヘルパーの配布条件は「1章 はじめに」の「著作権」を参照ください。

配布に必要なファイル

配布に必要なファイルは、次のとおりです。
  • Microsoft.DirectX.AudioVideoPlayback.dll
  • Microsoft.DirectX.Direct3D.dll
  • Microsoft.DirectX.Direct3DX.dll
  • Microsoft.DirectX.DirectInput.dll
  • Microsoft.DirectX.DirectSound.dll
  • Microsoft.DirectX.dll
  • Wakaba.dll
上記ファイルは「C:\Program Files\Wakaba」にあります。制作ゲームの実行ファイルと同じフォルダへ配置してください。
また、.NET Framework 2.0とDirectX 9.0c End-User Runtimeも必要です。
※Windows Vista/7で実行させる場合、.NET Framework 2.0とDirectX 9.0c End-User Runtimeは不要です。

参考リンク

DirectX 9.0c Redistributable for Software Developers - Multilingual -
Microsoft .NET Framework Version 2.0 再頒布可能パッケージ (x86)
Microsoft .NET Framework 2.0 日本語 Language Pack (x86)

△ページ先頭へ